Pico Technology、PicoScope 7に強力な4つの新機能を追加

(Hi-res)

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29 January 2024
Category: General

PCベースの電子検査および計測機器において業界をリードする革新的プロバイダーであるPico Technologは、主力商品であるPicoScope 7オシロスコープソフトウェアに4つの新機能を追加しました。

新機能は、複雑な電子設計および自動車設計の動作信頼性のデバッグ、特性化、検証を行うエンジニアを強力に支援するものとなります。PicoScope 7 T&M Stableの最新リリースには、以下が含まれます:

  1. 立ち上がり/立ち下がり時間トリガー:

立ち上がり/立ち下がり時間トリガーにより、遷移時間、特に信号が特定の電圧レベルから別のレベルへと変化するのにかかる時間に基づいて信号を捕捉して分析することができます。立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでトリガーするように設定することができます。トリガーコントロールを使用して、電圧閾値上限および下限、遷移時間、信号のエッジ遷移が指定した時間より長いか短い場合、または時間範囲内か範囲外の場合にトリガーするかどうかを設定することができます。

立ち上がり/立ち下がり時間トリガー機能は、以下のような目的で有効に使用することが可能です:

  • シグナルインテグリティ分析:高速デジタル信号のインテグリティを分析する場合、立ち上がり/立ち下がり時間は重要なパラメーターとなります。デバイスのデータシートで指定されている立ち上がり/立ち下がり時間に基づいてトリガー条件を設定することにより、不適合信号を簡単に捕捉して観察することができます。
  • EMC/EMI設計コンプライアンス:高速の論理デバイスから発せられる周波数の高い高調波により、電子回路のEMI制限が規定を超えてしまう場合があります。立ち上がり/立ち下がり時間トリガーを使用して、それらデバイスが正しく設定されており、仕様内で一貫して動作しているかどうかを検証できます。
  • 駆動回路検証:電圧や電流の急激な変化により機械的損傷が発生する場合があるため、バルブやモーターのコントロールシステムには一般的にコマンド電圧のスルーレートコントロールが搭載されています。立ち上がり/立ち下がり時間トリガー機能を使って、それら回路が適切に動作しているか確認することができます。

詳細は以下からご覧ください:https://www.picotech.com/library/oscilloscopes/rise-fall-time-triggering

 

  1.  測定ロギング

PicoScopeでは、24の時間ドメインパラメーターおよび10の周波数ドメインパラメーターを自動で測定することができます。様々な取得結果から算出した統計を使用して、試験時間におけるそれらパラメーターの平均、平均偏差・標準偏差を表示することができます。統計により、波形特性の再現性に関する情報を得たり、本格的な製造に入る前に電子設計のパフォーマンス特性や信頼性を確認する上で何が役立つかを見極めたりすることができます。しかし、その情報のみでは、供給電圧や温度など、変化する稼働条件に対する応答性や、長期的ドリフトの特性を詳細に理解することはできません。

PicoScope 7は、オシロスコープ自動測定のログをホストコンピューターの.CSVファイルに直接送信します。この機能により、エンジニアは設計を長期間に渡って試験し、電圧範囲、クロック周波数安定性、温度ドリフトなどの変数による影響を確認することができます。

堅牢な設計パフォーマンスの需要が高まるにつれ、測定ロギングは主要な機能となっています。この機能により、幅広い範囲の動作条件において、現場における電子設計の信頼性を特性化して検証することができるためです。

https://www.picotech.com/library/oscilloscopes/measurements#log

  1. 測定限度およびアクション

測定アクションは、標準的な自動測定システム上に構築されており、ユーザーが指定した測定上限および測定下限に対して測定結果を自動で試験することができます。試験で違反が発生した場合、ユーザーが指定したアクションが実行されるようプログラムすることができます。アクションには以下が含まれます:

  • ビープ音
  • 音声再生
  • 測定停止
  • 測定再開
  • 実行可能ファイルの実行
  • 現在のバッファの保存
  • すべてのバッファの保存
  • 信号ジェネレーター/AWGのトリガー

アクションにより、実験室でも現場でも、短時間試験または長時間試験において重要なパラメーターを監視する半自動ツールとしてPicoScope 7を使用することができます。一番基本的なレベルにおいては、測定試験に失敗した場合、ビープ音で警告が発せられ、原因の調査が促されます。または、測定試験に失敗した場合、埋め込みシステムデバッガーなどのファイル実行をトリガーし、問題の原因を詳細に分析することができます。システム信頼性試験のハードウェアインザループ (HIL) としてPicoScopeを効果的に使用可能です。

https://www.picotech.com/library/oscilloscopes/measurements#action

  1. PSI5デコーダー

自動車産業において日々変化するニーズに対応するため、PicoScope 7はPSI5デコーダーを搭載し、標準として含まれるシリアルデコーダーの数は38になりました。PSI5は、自動車用センサーアプリケーションで広く使用されているプロトコルで、ツールセットに追加されることにより、自動車用電子システムを扱うエンジニア向けの機能性が大きく高まりました。この拡張により、PSI5データのシームレスなデコードや分析が可能になり、ユーザーはセンサーのパフォーマンスや信頼性を最適化することができます。

https://www.picotech.com/library/oscilloscopes/psi5-serial-protocol-decoding

PicoScope 7の継続的な開発

Pico Technologyの製品部門マネージャーであるTrevor Smithは、「当社は、この大きなソフトウェア更新で2024年のスタートを切れたことをうれしく思っています。立ち上がり/立ち上がり時間トリガー、自動測定ロギング、アクション、PSI5デコーダーを含む新機能は、PicoScopeをお使いになるお客様に、変化する問題に対応する最先端ツールを提供したいという当社のコミットメントを反映するものとなっています。Windows、Linux、macOSなどの最新のOS、プロセッサ、ディスプレイ技術に対応するため、陰で日々絶え間なく開発を続けてくれていることにより、このソフトウェアリリースが可能になっていることも忘れることはできません」と語っています。

PicoScope 7は、https://www.picotech.com/downloadsからダウンロードしていただけます。 無料でご利用いただけ、現在のPicoScopeモデルすべて、および多くのレガシーモデルと互換性があります。拡張機能をご利用いただけるよう、ユーザーの皆さまにはソフトウェアの更新をお勧めしております。